ママに会いにきた
息子が5歳9か月、娘が2歳7か月の秋、アパートから市内の中心部へ引っ越した。
今までと違い、歩いて生協や地元のスーパーに行ける場所で随分便利になった。
息子は幼稚園の年長さんになり、すっかりお兄ちゃんになっていた。
引っ越して初めての冬、徒歩7~8分の生協まで買い物へ行くのに、一緒に行くか、お留守番するか尋ねると、妹と遊んでいた息子は「お留守番してる!」と言い、娘もお留守番と言った。
生協で買い物を終え、家の方に向かって歩き出すと、遠くから赤いボブスレー(そり)に小さい子を乗せて、その紐を引っ張りながらこちらへ歩いてくる子供が見えた。
あれ?っと思い、はや足で近づくとうちの子供たちだった。
「よくここまでちゃーちゃん乗せて引っ張ってきたね。お留守番するんじゃなかったの?!」
「あのね、ちゃーちゃんが『ママに会いたい』って言ったから連れてきたの」
引っ越してから何度も一緒に来ていたので、道順は覚えていたようだ。
でも、この日まで1人でここまで来たことはないし、途中に横断歩道もあり、横断歩道のない道路も横切らなければ辿り着けない。
よく無事にここまで来たもんだと、驚いたのとホッとしたのと、そしてとっても可愛いかった。
ママに会いたいと言った妹に、冬用のつなぎ服を着せ、手袋をはかせ、帽子を被せて、長靴に脚絆まできちんと付けていた。
娘は冬遊びのフル装備をされ、お兄ちゃんの苦労も知らず、そりに乗ってニコニコしていた。
帰りは2人と買った荷物を乗せ、ボブスレーを引っ張って家に帰った。
🔺ちょうどその頃、外遊び中