こどもクラブ

車で40分近くかかる少し大きめの市に、こどもクラブがある。北海道がメインのプレ幼稚園みたいなところで、息子のためと言いつつ自分の気分転換も目的だった。

 

私の出身は道南の室蘭市。ここから200キロ離れた場所だ。

元々縁もゆかりもなく、まちの名前を聞いた時は、いったい何処にあるの?と思った。

知り合いは夫のみだけど、「昭和な男」の典型で朝早くから夜遅くまで仕事だった。

 

テレビのCMで“こどーもクーラーブー、いち・に・さん・し、あいうえおー”と陽気な歌が流れていて、息子が2歳を過ぎたころに「これだ!」と思った。

実際に通いだしたのは、確か2歳2か月だったと思う。

 

初めての日。

 

息子は「お友達いっぱいいるの?」とウキウキしていた。私も同世代のママ友(当時そんなおしゃれな言葉はなかったけど)と、お友達になれたらいいなぁと息子同様ウキウキしていた。

 

ショッピングセンターの上にある教室に入ると、2歳児とママのペアが私たちを含めて5~6組いた。2歳児の中でも新年度すぐに3歳になる子もいて、息子は小さい方だった。

 

一通り説明を受けると、先生が「それではお母さんたちは外で待っててください」と言った。

えー、初日から大丈夫?と心配したが、最初は泣いても必ず慣れますよ!の声に後押しされて、部屋を出た。

 

入口が開いているうちは、少し不安そうな顔をしながらも、まだ余裕で手を振っていたが、扉が閉まった1分?いや30秒?後・・

 

ワーン、ワーン、ぎゃあー!!!

 

大きな泣き声が聞こえた。

 

間違いなく息子の声だ。「ママに会いたーい!!ママー!!おうちかえるー!」

よく聞くと、息子の声だけではなく、もう1人男の子の声が聞こえた。

その子はママの愛称を泣きながら叫んで、2人で合唱していた。

 

思わずドアまで駆け寄り、ドアの隙間から様子を見ると、息子と愛称絶叫の男の子と2人並んでこちらを向き、仁王立ちで泣いていた。

その姿にドアの隙間にへばりついて、しばらくウルウルしていると、私の少し上で、私とほぼ同じ体勢で号泣している人がいた。

 

息子と合唱している男の子のママだった。

 

あれから30年(きみまろか)一緒に子育てし、イベントパーティを開き、年越しもした。キャンプや温泉旅行にもよく行ったなぁ。

 

下の子同士も同級生で、大人になった今はそれぞれ忙しいけれど、何かあればお互いを気遣い、去年は久しぶりに4人で集まって飲んだようだ。

 

振り返ると、こどもクラブへ行った目的は、予想の何十倍も果たされていた。

 

縁ってどこにあるか、わからない・・

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🔺こどもクラブに通い始めた頃